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『Der Ring Des Nibelungen Highlights』 [ワーグナー]

丁度7年前の2012年9月 

当時

映画が好きでアニメも好き。
長くオーディオやっていると自然に入ってくる言葉 ワルキューレ、ヴァルキリー、ミーメ、ジークフリート、ヴァルハラ etc
これらの意味を辿ると全て「ニーベルングの指環」に行き着く。

さらに調べると序夜と3日間(約15時間)かけて上演するというとんでもない楽劇。

クラシックましてやオペラなんて全然興味が無く、歌っている意味を理解するために和訳を読みながらなんてとんでもない(笑)
いままでもちょこっとトライしたがとても全曲を高い金払って聴く気にはなれない。

ただあまり興味の無かったミュージカルでも一度ストーリーさえ知ればあとは映像が無くても音楽だけで楽しめるソフトがあることが分かった。
同じようにオペラも一度我慢して(^^;でも全篇観る事で考えが変わるかもしれない。

こうして巡り合ったのがズービン・メータ指揮 「バレンシア・リング」
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これを基準に7人の指揮者の『ワルキューレ』8作品を鑑賞してきたが「ワルキューレの騎行」は「バレンシア・リング」がベストだ。
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本編から観ると長いので(笑)、久しぶりに100分ほどの抜粋したハイライト版を鑑賞。
先にハイライト版を手に入れ直ぐに完全版を購入しているので、こちらはあまり観てはいなかった。
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完全版はDTS-HD MA 7.1だがハイライト版はDTS-HD MA 5.1になる。
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それでも特に音質的な物足りなさは感じない。
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日本語字幕が無いのは辛いが7年経った現在でもこれ以上の作品は出ていない。
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ホームシアターのデモ用としても十分通用する低価格なソフトで出来るだけ音量を上げて再生したい(笑)

『ワルキューレ』だけでなく『ラインの黄金』、『ジークフリート』、『神々の黄昏』もまた観直したくなってきた(^^;

今の社会情勢を考えると、これだけの規模の上演はもう無いかもしれない。


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7人の指揮者の『ワルキューレ』 第三幕 [ワーグナー]

何とか第3幕まで辿り着いた(笑)
第一幕、二幕に比べどの指揮者も第3幕になると力の入れ方が違う?

しかし...

第三幕になってようやくティーレマン指揮とバレンボイム指揮のヴォータン役が同一人物だと気づく(^_^;

ハイ、所詮この程度のレベルの試聴記で~す(-_-;

わざわざ配役まで書いてあるのに....

やっぱコピペはダメだなー(笑)

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第三幕の聴きどころ
〇前奏からジークリンデとの別れまで
〇ヴォータンの怒りを鎮めようとするワルキューレの合唱
〇ブリュンヒルデとの別れを歌うところから最後まで


クリスティアーン・ティーレマン指揮/シュターツカペレ・ドレスデン 2017年

ジークリンデ/アニヤ・ハルテロス
ブリュンヒルデ/アニヤ・カンペ
ヴォータン/ヴィタリー・コワリョフ

ゲルヒルデ/ヨハンナ・ヴィンケル /ソプラノ
オルトリンデ/ブリット・トーネ・ミュラーツ /ソプラノ
ワルトラウテ/クリスティーナ・ボック /メゾ・ソプラノ
シュヴェルトライテ/カタリーナ・マギエラ /アルト
ヘルムヴィーゲ/アレクサンドラ・ペーターザマー /メゾ・ソプラノ
ジークルーネ/ステパンカ・プカルコヴァ /メゾ・ソプラノ
クリムゲルデ/カトリン・ヴントザム /メゾ・ソプラノ
ロスワイセ/ジモーネ・シュレーダー /アルト


ダニエル・バレンボイム指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団「ワルキューレ」2010年

ジークリンデ/ヴァルトラウト・マイヤー
ブリュンヒルデ/ニナ・シュテンメ
ヴォータン/ヴィタリー・コワリョフ

ゲルヒルデ/ダニエレ・ハルブヴァンクス
オルトリンデ/カローラ・ヘーン、ほか


ズービン・メータ指揮/バレンシア州立管弦楽団 2007年

ジークリンデ/ペトラ・マリア・シュニッツァー
ブリュンヒルデ/ジェニファー・ウィルソン
ヴォータン/ユハ・ウーシタロ

ゲルヒルデ/ベルナデッテ・フライツ
オルトリンデ/ヘレン・ヒューズ・ラルストン
ヴァルトラウテ/ピラール・バスケス
シュヴェルライテ/クリスタ・マイヤー
ヘルムヴィーゲ/エウジェニア・ベタンクール
ジーグルーネ/ハイケ・クレツィンガー
グリムゲルデ/マヌエラ・ブレス
ロスヴァイゼ/ハンナー・エスター・ミヌティッロ


ズービン・メータ指揮/バイエルン国立管弦楽団 2002年7月

ジークリンデ/ヴァルトラウト・マイヤー
ブリュンヒルデ/ガブリエーレ・シュナウト
ヴォータン/ジョン・トムリンソン

ゲルヒルデ/Irmgard Vilsmaier
オルトリンデ/Jennifer Trost
ヴァルトラウテ/Ann-Katrin Naidu
シュヴェルライテ/Heike Grötzinger
ヘルムヴィーゲ/Sally du Randt
ジーグルーネ/Heike Grötzinger
グリムゲルデ/Marita Knobel
ロスヴァイゼ/Ingrid Bartz


ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1967年

ジークリンデ/グンドゥラ・ヤノヴィッツ
ブリュンヒルデ/レジーヌ・クレスパン
ヴォータン/トーマス・ステュアート

ゲルトリンデ/リゼロッテ・レープマン
オルトリンデ/カルロッタ・オルダシー
ワルトラウテ/イングリット・シュテーガー
シュヴェルトライテ/リロ・ブロックハウス
ハイムヴィーゲ/タニーザ・マスティロヴィッチ
ジークルーネ/バルブロ・エリクソン
グリムゲルデ/ツヴェトゥカ・アーリン
ロスヴァイセ/ヘルガ・イェンケル   


カール・ベーム指揮/バイロイト祝祭管弦楽団 1967年7月

ジークリンデ/レオニー・リザネク
ブリュンヒルデ/ビルギット・ニルソン
ヴォータン/テオ・アダム

ゲルヒルデ/ダニカ・マステロヴィッツ(S)
オルトリンデ/ヘルガ・デルネシュ(S)
ヴァルトラウテ/ゲルトラウト・ホップ(A)
シュヴェルトライテ/ジークリンデ・ワーグナー(A)
ヘルムヴィーゲ/リアーネ・ジーネック(S)
ジークルーネ/アンネリース・ブルマイスター(M)
グリムゲルデ/エリーザベト・シェルテル(M)
ロスヴァイセ/ソナ・ツェルヴェナ(A)



ゲオルグ・ショルティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1965年

ジークリンデ/レジーヌ・クレスパン
ブリュンヒルデ/ビルギット・ニルソン
ヴォータン/ハンス・ホッター
ゲルヒルデ/ヴェラ・シュロッサー
オルトリンデ/ヘルガ・デルネシュ
ヴァルトラウテ/ブリギッテ・ファスベンダー
シュヴェルトライテ/ヘレン・ワッツ
ヘルムヴィーゲ/ベリット・リンドホルム
ジークルーネ/ヴェラ・リッテ
グリムゲルデ/マリリン・タイラー
ロスヴァイゼ/クラウディア・ヘルマン


ヨゼフ・カイルベルト指揮/バイロイト祝祭管弦楽団 1955年8月

ジークリンデ/グレ・ブロウェンスティーン
ブリュンヒルデ/アストリッド・ヴァルナイ
ヴォータン/ハンス・ホッター


ワルキューレの8人はバレンシアが一番うまく演じていてる。
他の作品では特に耳に残らず聞き流していたヴォータンの怒りを鎮めようとするワルキューレの合唱だったがバレンシアでは8人のハーモニーが素晴らしく耳に残り比較するようになった。

ティーレマン指揮とバレンボイム指揮のヴォータン(ヴィタリー・コワリョフ)
2010年のバレンボイム指揮では若く張りのある声で歌っていたが2017年ティーレマン指揮では以前より声を押し殺し腹の底から声を出す歌い方に変わっていた。
どうもティーレマン指揮の録音は他に比べイマイチ。
バレンボイム指揮も金管楽器の音圧が低い録音で迫力が出ない。

カラヤン指揮はジークムントの歌い方のテンポが気に入らないとかブリュンヒルデのイメージがレジーヌ・クレスパンには合わないなんて言っていたが....

第三幕になると.....

やっぱカラヤンの演奏もレジーヌ・クレスパンのブリュンヒルデも素晴らしい(笑)
レジーヌ・クレスパンの再確認は今回のイベントの最大の成果だ。

メータ指揮(バレンシア)ユハ・ウーシタロ(ヴォータン)の哀愁漂うブリュンヒルデとの別れの歌とラストシーンが情緒的で(映像があるので有利だが)すべての作品の中でこれが一番いい。

ここまでくると好みというより演奏自体に引き込まれ何十回も同じ曲を聴きながらも自然に聴く盤が絞り込まれて試聴ではなく鑑賞している。

特にショルティ、カラヤン、ベーム、カイルベルト指揮の演奏を聴いた後はバレンシア以外の試聴が辛くなり限界になってきた(^^;

そして....

ちょっと腹も立てている。

デジタル録音だ、マルチチャンネル再生だと物量を投じて7.0chまで構築しても...

40年前のステレオ再生に敵わないとは(-_-;
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個々のマイクで声を拾っているので、音の広がりはあっても遠近感が希薄で奥行きの再現が出来ていない。

始めるときはマルチチャンネル再生と比較するのは反則だと思ったが(笑)

結局 FR,C,FLの振り分けは人の手によるものだからか?

ハードよりもソフト制作が未熟で追い付いていない(-_-;

まあこれで『ワルキューレ』は卒業!

今後も過去の名盤を超えるソフトは期待できないと感じた。
ショルティ、カラヤン、ベーム、カイルベルト、メータ盤を持っていれば十分。


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7人の指揮者の『ワルキューレ』第二幕 [ワーグナー]

第二幕は長いのでモチベーションを保つのが大変だ(笑)

今回ティーレマン盤BDの日本語字幕のおかげで、なんとか挫折せずに聴き通すことができた。

どのオペラもそうかもしれないが三幕に分かれた本編245分の『ワルキューレ』を一纏めで評価するのは無理がある。

こうやって聴き比べると一幕ごとに其々の評価が変わってくる。

聴きどころは
前奏曲からヴォータンの掛け声でブリュンヒルデが登場するシーン。
フリッカの登場からヴォータンとの話し合い。
ジークムントの前にブリュンヒルデが現れてから最後まで。

問題は中盤のヴォータンの意思をブリュンヒルデの前で呟く単調で退屈なシーン(-_-;

はじめは「ラインの黄金」のハイライトを語るだけのものと思っていたが、ちゃんとした和訳のおかげで以降の話で重要なことも語られていることを知った。

と同時に矛盾も沢山出てきて....やっぱり難解だなー(笑)

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クリスティアーン・ティーレマン指揮/シュターツカペレ・ドレスデン 2017年

ジークムント/ペーター・ザイフェルト
ジークリンデ/アニヤ・ハルテロス
フンディング/ゲオルク・ツェッペンフェルト
ブリュンヒルデ/アニヤ・カンペ
ヴォータン/ヴィタリー・コワリョフ
フリッカ/クリスタ・マイア

『ワルキューレ』第二幕の流れを知る必須ソフト。
これをまず最初に観ないとその後の作品の比較なんて出来ない(笑)


ダニエル・バレンボイム指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団「ワルキューレ」2010年

ジークムント/サイモン・オニール
ジークリンデ/ヴァルトラウト・マイヤー
フンディング/ジョン・トムリンソン
ブリュンヒルデ/ニナ・シュテンメ
ヴォータン/ヴィタリー・コワリョフ
フリッカ/エカテリーナ・グバノヴァ

他の作品と比べてしまうと第一幕同様 抑揚が単調でなかなか感情移入できない(^^;



ズービン・メータ指揮/バレンシア州立管弦楽団 2007年

ジークムント/ペーター・ザイフェルト
ジークリンデ/ペトラ・マリア・シュニッツァー
フンディング/マッティ・サルミネン
ブリュンヒルデ/ジェニファー・ウィルソン
ヴォータン/ユハ・ウーシタロ
フリッカ/アンナ・ラーション

前奏曲からヴォータンの掛け声でブリュンヒルデが登場するシーンはこれが最高。
ヴォータンのユハ・ウーシタロ、ブリュンヒルデのジェニファー・ウィルソンは若くよく声が出ている。
ただ その後のジークムントとブリュンヒルデのシーンではジェニファー・ウィルソンの歌声はそれなりになってしまう(^^;



ズービン・メータ指揮/バイエルン国立管弦楽団 2002年7月

ジークムント/ペーター・ザイフェルト
ジークリンデ/ヴァルトラウト・マイヤー
フンディング/クルト・リドル
ブリュンヒルデ/ガブリエーレ・シュナウト
ヴォータン/ジョン・トムリンソン
フリッカ/藤村実穂子

ペーター・ザイフェルトは若く力強く声がよく通る。
これだけ聴いていれば特に不満もなく、メータ指揮の演奏も好きなんだが......
過去の名盤聴いてしまうとヴァルトラウト・マイヤーでさえイマイチと感じてしまう(笑)



ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1967年

ジークムント/ジョン・ヴィッカーズ
ジークリンデ/グンドゥラ・ヤノヴィッツ
フンディング/マルッティ・タルヴェラ
ブリュンヒルデ/レジーヌ・クレスパン
ヴォータン/トーマス・ステュアート
フリッカ/ジョゼフィン・ヴィージー

前奏曲はちょっと軽い感じがするが、第一幕での印象とは大きく違いだるい第二幕を飽きずに聴き続けられる(笑)
第一幕の早いテンポから普通になった感じがする。
ジークムントの歌い方は第一幕同様ゆっくりしたテンポを貫いている?
レジーヌ・クレスパンの優しい歌声はブリュンヒルデには合わない感じがするがそれでも聴き入ってしまう。
フリッカのジョゼフィン・ヴィージーもなかなか良い。



カール・ベーム指揮/バイロイト祝祭管弦楽団 1967年7月

ジークムント/ジェームズ・キング
ジークリンデ/レオニー・リザネク
フンディング/ゲルト・ニーンシュテット
ブリュンヒルデ/ビルギット・ニルソン
ヴォータン/テオ・アダム
フリッカ/アンネリース・ブルマイスター

前奏から迫力ある演奏
テオ・アダムのヴォータンはなかなかいい。
ビルギット・ニルソンも元気がある。
録音がよく元気すぎる程のメリハリの付いた再生(笑)

第二幕はベーム盤がバランスよく一番聴きごたえがある。

 

ゲオルグ・ショルティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1965年

ジークムント/ジェームズ・キング
ジークリンデ/レジーヌ・クレスパン
フンディング/ゴッドロープ・フリック
ブリュンヒルデ/ビルギット・ニルソン
ヴォータン/ハンス・ホッター
フリッカ/クリスタ・ルードヴィヒ

第二幕の前奏曲もゆったりとしたテンポで始まる。
カイルベルト盤を聴いてしまうとハンス・ホッターの歳を感じ物足りない。
ジークムントの前にブリュンヒルデが現れてからもシーンは、第一幕では籠った声のジェームズ・キングも本来の声に戻っているがビルギット・ニルソンとのやり取りでの抑揚の表現はベーム盤のがスピード感があって好きだ。



ヨゼフ・カイルベルト指揮/バイロイト祝祭管弦楽団 1955年8月

ジークムント/ラモン・ヴィナイ
ジークリンデ/グレ・ブロウェンスティーン
フンディング/ヨーゼフ・グラインドル
ブリュンヒルデ/アストリッド・ヴァルナイ
ヴォータン/ハンス・ホッター
フリッカ/ゲオルギーネ・フォン・ミリンコヴィッツ

録音も古くCDなのでそれ程聴きこんでいなかったが、こうやって比較試聴すると古さなんて感じず、名盤と言われるだけのことはある。
ハンス・ホッター全盛期で声がよく出ているし、他のキャストも充実しており聴きごたえがある。


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7人の指揮者の『ワルキューレ』第一幕 [ワーグナー]

2014年に5人の指揮者の「ワルキューレ」第一幕の記事を書いたが続かず(^^;

その後システム環境、自分自身の聴き方も好みも変化してきたのでマルチチャンネルソフトも含めてもう一度聴き直すことにした。
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LP 3 CD 2 DVD-Audio 1 Blu-ray 3
アナログもデジタルも関係ない(笑)

なんとも豪華なラインアップ!
一番贅沢なのはこれだけの音源を集中して聴ける環境と時間だろう。

今年は正月がなかったので実現できた。

クリスティアーン・ティーレマン指揮/シュターツカペレ・ドレスデン 2017年
ジークムント/ペーター・ザイフェルト
ジークリンデ/アニヤ・ハルテロス
フンディング/ゲオルク・ツェッペンフェルト

ダニエル・バレンボイム指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団「ワルキューレ」2010年
ジークムント/サイモン・オニール
ジークリンデ/ヴァルトラウト・マイヤー
フンディング/ジョン・トムリンソン

ズービン・メータ指揮/バレンシア州立管弦楽団 2007年
ジークムント/ペーター・ザイフェルト
ジークリンデ/ペトラ・マリア・シュニッツァー
フンディング/マッティ・サルミネン


ズービン・メータ指揮/バイエルン国立管弦楽団 2002年7月
ジークムント/ペーター・ザイフェルト
ジークリンデ/ヴァルトラウト・マイヤー
フンディング/クルト・リドル


ヘルベルト・フォン・カラヤン指揮/ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 1967年
ジークムント/ジョン・ヴィッカーズ
ジークリンデ/グンドゥラ・ヤノヴィッツ
フンディング/マルッティ・タルヴェラ

カール・ベーム指揮/バイロイト祝祭管弦楽団 1967年7月
ジークムント/ジェームズ・キング
ジークリンデ/レオニー・リザネク
フンディング/ゲルト・ニーンシュテット
 
ゲオルグ・ショルティ指揮/ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団 1965年
ジークムント/ジェームズ・キング
ジークリンデ/レジーヌ・クレスパン
フンディング/ゴッドロープ・フリック

ヨゼフ・カイルベルト指揮/バイロイト祝祭管弦楽団 1955年8月
ジークムント/ラモン・ヴィナイ
ジークリンデ/グレ・ブロウェンスティーン
フンディング/ヨーゼフ・グラインドル



ステレオ再生とマルチチャンネル再生

今まではLP,CDとBle-rayソフトの再生は別物と考えていたが、今回BDP-LX88のアナログ出力をC-2301に繋ぎステレオ再生でも試聴してみた。

最近は歌手ごとにマイクを付けて歌っているようだが舞台の袖から中央に歌いながら登場するシーンでの描写はステレオ再生のがよく出ている(笑)

何のためのマルチチャンネルなんだかなー(^^;

客席の気配なんて邪魔だし拍手が後方に広がるだけのマルチチャンネルソフトなんていらない。

第一幕では前奏曲と剣は何処にあるんだー!というシーン、終盤の剣と花嫁を手に入れ希望に燃えるシーンを中心に聴いた。

前奏曲のテンポの違いは各指揮者の個性として以前ほどの違和感もなく聴けるようになった。
ショルティ、カラヤンの第一幕はLP3面使って録音しているのにベームは2面で済ませている。

ジークムントの「ヴェルゼ、ヴェルゼ」と二回歌う声量はジョン・ヴィッカーズ
、ペーター・ザイフェルトが力強い歌い方で好み。
だがティーレマン指揮では歳のせいかメータ指揮に比べ物足りない。

ジークムントと名付けられてからの曲のテンポと盛り上がりがメーター指揮 ペーター・ザイフェルトの好きなところ。
ティーレマン指揮では曲と歌のテンポが若干ずれる感じになる。

2002年 メータ指揮/バイエルン国立管弦楽団でのペーター・ザイフェルト、ヴァルトラウト・マイヤーは若く張りのある声でこれを聴くと2017年のジークムント、2010年のジークリンデの声は衰えを感じてしまう。

バレンボイム指揮は他と比較すると録音のせいか金管楽器での高揚感が弱く音が軽く感じる。

カイルベルト指揮は剣を抜いてからの威厳を持ったジークムントの歌いっぷりでテンポは遅く演出。

カラヤン指揮ではさらに遅くなる表現。ジークリンデの歌い方のテンポは変わらず速いままなのでそういう演出なのかもしれない。

ショルティ指揮は剣を抜いてからのジークムントの歌うテンポは速いほう。
レジーヌ・クレスパンのジークリンデはいつ聴いてもいい。

ジェームズ・キングはショルティ指揮とベーム指揮、ペーター・ザイフェルトはメータ指揮とティーレマン指揮でそれぞれジークムントを演じているが指揮者により抑揚のつけ方、歌い方が変わることを確認できた。

第一幕を通して聴きごたえがあるのは やはりメータ指揮のバレンシア・リング。
最新のティーレマン指揮に比べても録音がよい。


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ティーレマン指揮『ワルキューレ』 [ワーグナー]

2017年4月に行われたザルツブルク復活祭音楽祭のライヴ映像。
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購入してから調べたら6月にNHKプレミアムシアターで放送されているではないか(^^;
テレビはあまり見ないので全然気づかなかった(-_-;
ネットで調べてもあまり話題にならなかったようだが....

ジークムントにペーター・ザイフェルトが配役されていたので迷わず購入(笑)

メータ指揮で2002年 バイエルン国立歌劇場が初演。
2007年 バレンシア州立歌劇場でも演じジークムント役として一番気に入っている。

バレンシアから10年経ち更に指揮者が変わると歌い方がどう変わるのか興味深々。
といってもここで演奏内容や感想を書いてもただのポエムでしかない。

他の指揮者の『ワルキューレ』を聴きなおして初めて比較できる。

輸入盤だが日本語字幕も付いていた。

そしてこの日本語訳が非常に良い。
今まで字幕付きや付属の対訳文を見ていたがドイツ語を直訳しただけで話の筋が見えない訳が多かった。
それで自分でも数種の日本語訳からストーリーに合った訳を組み合わせ再編集したが結局意味が分からない部分があった。
第二幕のブリュンヒルデに呟くヴォータンの独り言は意味不明で退屈なシーンだったが分かりやすい字幕のおかげで初めて理解できた。

この日本語字幕だけでも買う価値はある(笑)

2012年に『ニーベルングの指環』を鑑賞し始めて5年経っても未だ『ワルキューレ』さえ把握できていない(-_-;
この間 登場人物に対する印象も大きく変わった。

当初悪役と思っていたフンディングだが、領主として盗賊から献上されたジークリンデを妻として迎え入れ、失踪すれば結婚の神フリッカに泣きつくさまは劇中の演出の違いとで違和感を覚える。

ジークムントは自分が不幸を呼ぶ男と認識しており早々に立ち去ろうとしたのに、不幸が住む家に 不幸を持ちこむことは出来ないと呼び止めるジークリンデ。
ジークリンデの生立ちは不幸だったが領主の妻としての地位と生活は安定していたはず。

結局ヴォータンの血を引く娘 ジークリンデも自分勝手?
行く先々でトラブルを起こすジークムントの話にそのような男を自分も好ましく思っていないとフンディングが言うと丸腰の男を恐れるのは臆病者だと言ってのける(笑)

こうなると其々の人物像のイメージが変わり感情移入の具合も観方も違ってくる。

システムの熟成度も5年前とは大きく違い、もう一度他の『ワルキューレ』を聴き直すことにした。
9人の指揮者と10の公演を鑑賞しているがワイマールはBDディスクを認識しなくなってしまった(-_-;
METは今更観るのは苦痛なので却下(笑)

ティーレマン、メータ、ベーム、カイベルト、ショルティ、カラヤン、バレンボイム指揮に絞り聴き比べる。
以前もイベントとして5人の指揮者の聴き比べをしたが第一幕までで挫折した(^^;

今回は7人の指揮者の『ワルキューレ』
また挫折するのか(笑)


ザルツブルク復活祭音楽祭
クリスティアーン・ティーレマン指揮『ワルキューレ』
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 ペーター・ザイフェルト(ジークムント/テノール)
 ゲオルク・ツェッペンフェルト(フンディング/ バス)
 ヴィタリー・コワリョフ(ヴォータン/バリトン)
 アニヤ・ハルテロス(ジークリンデ/メゾ・ソプラノ)
 クリスタ・マイア(フリッカ/メゾ・ソプラノ)
 アニヤ・カンペ(ブリュンヒルデ/ソプラノ)
 ヨハンナ・ヴィンケル(ゲルヒルデ/ソプラノ)
 ブリット・トーネ・ミュラーツ(オルトリンデ/ソプラノ)
 クリスティーナ・ボック(ワルトラウテ/メゾ・ソプラノ)
 カタリーナ・マギエラ(シュヴェルトライテ/アルト)
 アレクサンドラ・ペーターザマー(ヘルムヴィーゲ/メゾ・ソプラノ)
 ステパンカ・プカルコヴァ(ジークルーネ/メゾ・ソプラノ)
 カトリン・ヴントザム(クリムゲルデ/メゾ・ソプラノ)
 ジモーネ・シュレーダー(ロスワイセ/アルト)
 シュターツカペレ・ドレスデン
 クリスティアーン・ティーレマン(指揮)

 演出:ヴェラ・ネミロヴァ
 舞台:ギュンター・シュナイダー=ジームセン
 舞台再構築&衣装:ジェンス・キリアン
 照明:アラフ・フリーゼ
 映像:ロカフィルム

 収録時期:2017年4月5-17日
 収録場所:ザルツブルク祝祭大劇場(ライヴ)
 収録監督:ティツィアーノ・マンシーニ

 収録時間:235分
 画面:カラー、16:9、HD 1080i
 音声:PCMステレオ、DTS-HD MA 5.0
 字幕:独英仏西伊韓日


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ミラノ・スカラ座 『トリスタンとイゾルデ』 [ワーグナー]

数年前BSプレミアムで特番「華麗なるオペラの世界 ミラノ・スカラ座」が放送された時「神々のたそがれ」と共に「トリスタンとイゾルデ」も録画しておいた。
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当時は「ニーベルングの指環」を鑑賞するのが精一杯で、あらすじもイマイチ好みでない「トリスタンとイゾルデ」を観る!という気力は湧かなかった(笑)

ただ以前購入したワーグナー生誕200周年記念 『Wagner the Collector's Edition』 6枚組LPボックスには 「ニーベルングの指環」よりも「トリスタンとイゾルデ」の曲が多く入っている。
正直どういうシーンでの曲か、歌なのかレコードでは全く分からないので一度オペラを観なくてはと思っていた。

マルチチャンネルのシアター環境も落ち着き「トリスタンとイゾルデ」がどの程度のレベルで鑑賞できるかようやく試してみる気に....なった。

ダニエル・バレンボイム(指揮)
ミラノ・スカラ座管弦楽団&合唱団
演出:パトリス・シェロー
ヴァルトラウト・マイヤー(ソプラノ/イゾルデ)
イアン・ストーレイ(テノール/トリスタン)
ミシェル・デ・ヤング(メゾ・ソプラノ/ブランゲーネ)
マッティ・サルミネン(バス/マルケ王),
ゲルト・グロホウスキ(バス・バリトン/クルヴェナール)、他
収録時期:2007年12月
収録場所:ミラノ、スカラ座

実際観るまでイゾルデ役がヴァルトラウト・マイヤーとは知らなかった(^^;

彼女の歌なら鑑賞できそう?

ただ....


正直....


退屈(笑)


5.1chのサラウンドはAACと考えれば良い方か。
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マルケ王(マッティ・サルミネン)の歌に以前どこかで聴いたような声だったので調べたらバレンシア・リングで『ラインの黄金』の巨人族 ファーゾルト、『ワルキューレ』のフンディング、『神々の黄昏』のハーゲン役で歌っている。

このオペラの主役はヴァルトラウト・マイヤー
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冷めた観かたしかできない自分だが最後のヴァルトラウト・マイヤーの歌は鳥肌が立つほどの熱演で拍手が20分近く続いたのも納得。

一通り観終わって大体のストーリーは把握でき自分にとってこれがスタンダードとなる。

再度『Wagner the Collector's Edition』を引っ張り出しレコードと聴き比べてみようと思うが....

ちょっと休憩(笑)



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ミラノ・スカラ座 「ワルキューレ」 [ワーグナー]

ジークムント/サイモン・オニール
フンディング/ジョン・トムリンソン
ヴォータン/ヴィタリー・コワリョフ
ジークリンデ/ヴァルトラウト・マイヤー
フリッカ/エカテリーナ・グバノヴァ
ブリュンヒルデ/ニナ・シュテンメ
ゲルヒルデ/ダニエレ・ハルブヴァンクス
オルトリンデ/カローラ・ヘーン、ほか
ミラノ・スカラ座管弦楽団
ダニエル・バレンボイム(指揮)
演出:ギー・カシアス

5人の指揮者の「ワルキューレ」の中でメータ指揮/バイエルン国立歌劇場管弦楽団でのワルトラウト・マイヤーのジークリンデが良かったので他を検索するとダニエル・バレンボイム指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団「ワルキューレ」のジークリンデ役で出演していた。
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BSプレミアムで放送された「ラインの黄金」「ジークフリート」「神々の黄昏」は鑑賞したが「ワルキューレ」は今更購入してまで見たいとは思っていなかったが(^^;
静止画だけで動画が無い2002年のメータ指揮から8年後バレンボイム指揮でのワルトラウト・マイヤーの演技がどういうものなのか興味が湧いてきた。
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国内版は高価なので字幕は無いが安い輸入版を入手。
DVD-Audio 5.0chのメータ指揮とBle-ray 5.1chのバレンボイム指揮での聞き比べ。
音質的にはDVD-Audioのがやはり良い。

ジークムント役のサイモン・オニールはハリのある声でなかなか良い。
8年の差のワルトラウト・マイヤーの声はある程度仕方がないが歌と共に演技が素晴らしい。
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やはりオペラというものは劇であり映像があって初めて成り立つ。最近歌だけの上演もあるようだが、大きな身振り、立ち回りの演技があってこそ感情が歌に出てくると思う。
たとえ映像が無くてもそういった録音は音声だけでも気配が分かる。
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舞台で動きながら演じないならアニメ化して上映し声優として歌ってもらった方がルックス的には良いと思うんだが(笑)

録音の差もあるので一概に決めつけられないが、好みはメータ指揮のワルトラウト・マイヤーかな。
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第二幕の前奏曲から冒頭の迫力がありヴィタリー・コワリョフ(ヴォータン)、ニナ・シュテンメのブリュンヒルデの歌はメータ指揮のジョン・トムリンソン(ヴォータン)、ガブリエーレ・シュナウト(ブリュンヒルデ)よりも若々しく堂々として良かった。

ワイマール版やMETでの冒頭父娘がいちゃつくようなシーンでは無くちゃんと威厳を持った展開と質素だが上手い演出は十分納得できる。


バレンシアでのフリッカ役はあまり好きでない。声がヒステリックでだんだんうるさくなり聴いていて苦痛になってくる。
キンキンしたヒステリックな声にならずに聴き入らせる歌唱力。
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フリッカ役のエカテリーナ・グバノヴァの冷静にヴォータンを追い詰める歌い回しは飽きずに聴き入ってしまう。
これを聴いてしまうとメータ指揮での藤村実穂子は分が悪い。


第三幕のワルキューレの8人の姉妹はバラバラでヒステリックなハーモニーがうるさい。
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ここにきてニナ・シュテンメの声も他のワルキューレ姉妹の声と区別がつきにくく全体が騒がしく聞こえてしまう。
唯一ワルトラウト・マイヤーの歌と演技で救われてるが....

一番の原因はバレンボイムの演奏のテンポが速すぎる?
俳優の演技が追い付かない場面があり観客が余韻に浸る暇も無く進行してしまう。
それが更に慌ただしくし感じさせているようだ。
これ以降も最後までなんとなく落ち着いて聴けない(^^;

第三幕はメータ指揮/バイエルン国立歌劇場管弦楽団のが聴きごたえがある。
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最後に第三幕をバレンシア版で鑑賞
バイエルン版より更に良い。
やはりワルキューレの8人の姉妹のハーモニー、歌のレベルもスケールも違う!
7.1chとなり臨場感はさらにアップし録音も素晴らしい。

オペラ鑑賞はマルチチャンネルのが絶対有利だなー。

ダニエル・バレンボイム指揮/ミラノ・スカラ座管弦楽団での「ワルキューレ」を鑑賞しての感想は、当初ワイマール版で感じた演出の違和感も無くMETより格段に上の内容に、先にこれの日本語版を買っておけばある程度は満足していたと思う。
日本語字幕のないバレンシア・リングを観ることもなく、ここまで「ニーベルングの指環」に嵌らなかったかもしれない(笑)

取りあえずこれでミラノ・スカラ座「ニーベルングの指環」も全編鑑賞できた。

「ワルキューレ」だけなら8人の指揮者の9作品を鑑賞したことになる。

もういいかな(笑)



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5人の指揮者の「ワルキューレ」ACTⅠ [ワーグナー]

前奏曲が終わり物語が始まると其々の役者の歌声と演奏との録音バランスが評価を変える。
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自分にとってジークムントの評価基準は
「父が約束した窮地に立った時に手に入るという剣はどこにあるのだ」と歌うシーン

バレンシア・リングでのペーター・ザイフェルトの歌声は「ヴェルゼ、ヴェルゼ」と二回歌う声量はまさにミュージカル俳優とは次元、格が違うのだよという位のインパクトがあった。

ただこれは7.1chサラウンドと映像による相乗効果もあったようでステレオ盤になると同じペーター・ザイフェルトでもその感動は半減してしまう。

名盤と呼ばれるショルティ指揮だがオーケストラとしての録音は素晴らしいが歌が始まると一気にその評価は下がる。
他のソフトに比べオーケストラの録音は良いのに役者の声が篭る様に聴こえ歌が前面に出てこない。
ショルティとベーム版ではジェームズ・キングがジークムントを演じているが始めは同一人物とは思えなかった位である。

ショルティ指揮ではジェームズ・キングをあまり評価しなかったが、ベーム指揮を聴いて見直した。
ベーム版はオーケストラと役者の歌とのバランスが良く物語が歌で展開していく。
これがショルティ版になるとオーケストラの演奏をメインに録音し過ぎて歌声とのバランスを崩している(^^;


ジークリンデはショルティ指揮のレジーヌ・クレスパンの優しく美しい歌声が魅力的だが...
最近キャラクター的に優しすぎる声ではないか?とも思ってきた(^^;
メータ指揮でのワルトラウト・マイヤーのジークリンデもなかなか良かった。

第一幕の最大の見せ場ジークリンデがジークムントと命名しトネリコの木から剣(ノートゥング)を引き抜き二人で未来を切り開いていく決意をするシーン。

一番盛り上がるシーンである程度スピード感が欲しい所でカラヤン指揮は重厚感を出すためか逆にテンポを落とし他よりもゆったりとした演奏をする。
だが自分にはこれはどうしても納得できない(-_-;

その他カラヤン指揮で感じたことは
各自が上手い演奏、上手い歌い方を優先しているようでジークムント、ジークリンデの穏やかで綺麗な歌い方では上品すぎて自分の思い描く情景と一致しない。
中盤の展開なんかオーディオ的には他と比べても悪くはないんだが前奏曲と第一幕最後の演奏表現が自分的には受け入れられず評価を下げている。

ショルティ指揮もどちらかというと演技よりも歌を上手く唄う事を優先している感じがする。
これはベーム指揮と聴き比べるとハッキリわかる。
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ベーム指揮は演技しながら歌っていることがわかり情景が浮かぶ良い録音で躍動感もあり試聴中も物語にどんどん入り込んで聴き入ってしまう。

カイベルト指揮は演奏と歌のバランスもよく無難にまとまっている。
メータ指揮は映像があるバレンシア・リングに比べステレオでは盛り上がりに欠けるが録音が新しい分有利だ。

ACT Ⅰ 本編の好みは
メータ>ベーム>カイベルト>ショルティ>カラヤン



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5人の指揮者の「ワルキューレ」ACTⅠ Prelude [ワーグナー]

自分はワグネリアンでもないしオペラの事もオーケストラの編成さえよく知らない。元々クラシックとは無縁で今後も勉強してまで知りたいとは思っていない(笑)

歌劇「ワルキューレ」は単に自分のオーディオシステムでどの程度の再生が可能か、更に突き詰めていくにはどうすればよいかを考えるためのソフトである。

今まで入手した5人の指揮者の「ワルキューレ」の中でベスト1を選ぶことは出来ない。
録音、演奏での表現方法 キャストの歌声が評価を左右する。
完成度の高いソフトばかりだがここは○○指揮がイイが...
でもこのシーンは△△指揮のが良いなー。ってことがある。
ならばこの五つの「ワルキューレ」をひとまとめしていい所取りしたらどうか(笑)
パートごとに分け好みの演奏を選択し、後で組み合わせて再生すれば理想の「ワルキューレ」が完成する?

但し...

そもそも自分がこの5人の指揮者を語ること自体非常に失礼な話である(笑)
あくまでも自分のオーディオ再生での聴き方で試聴結果はクラシックを知る人にとって失笑を買う内容もあると思う。その辺の無知さは許してほしい。


試聴して感じたことは、歌がある部分はなかなかオーケストラとしての個性を出すのは難しく前奏や間奏の部分で5人の指揮者の主張が明確になる。
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特に前奏曲の聴き比べは非常に面白い。

ACTⅠ 前奏曲

村でトラブルを起こしたジークムントが戦いに負け武器を失い命からがら森の中を逃げ回る緊迫感のあるシーンから始まり、更にヴォータンが起こす嵐が追い打ちをかけクタクタになってフンディングの屋敷(ジークリンデの元)へ辿り着くまでが前奏曲となる。

素人の比較で一番分かりやすいのが演奏のテンポだ。

ただ...

前奏曲のテンポの速さは演出によっても変わると思う。
バレンシア・リングでは舞台にCGで森の中を必死に逃げている映像が流れ、その緊迫した情景を見ながら指揮するとなると必然的にテンポは速くなる?
その映像にショルティのテンポで前奏曲が流れたら違和感が出る(笑)

映像のないステレオでの試聴だが頭の中ではバレンシア・リングでの情景を思い浮かべているのでどうしてもメータ指揮が有利になってしまう(^^;
話の流れからも個人的にはこの前奏曲はある程度早いテンポのが説得力がある。


前奏曲のテンポが早い順に 
カラヤン>メータ>カイベルト>ベーム>ショルティ
となる。
あくまでも前奏曲だけでそれ以降のテンポはまた変わっている。

カラヤン指揮
一番テンポが速くスピード感はあるが軽快過ぎる?
録音のせいか雷(グランカッサ)も遠くから聞こえ迫力が無い。
抑揚が乏しいくアッサリ聴こえる。

メータ指揮
一番聴きなれた前奏曲だが(笑)
カラヤンよりは遅いテンポだがそれでも他より早い方だ。
スピード感とメリハリがあり自分的には一番しっくりする。
録音が一番新しいからかグランカッサも良く響く。

カイベルト指揮
1955年のステレオ録音という事で音質的には不利と感じてしまうが再生が始まれば意識することなく鑑賞してしまう。中庸で やはりこれをスタンダードとして比較していくのが良いかもしれない。

ベーム指揮
カイベルトよりも若干テンポが遅くなるがバランスの取れた充実した録音で量感のある演奏は無難ではあるが聴いていて安心感がある。

ショルティ指揮
ゆったりとした重厚感のある音調だがエッジの効いたメリハリある演奏は聴きごたえがある。ダイナミックレンジも広くオーディオ的には一番凝っている録音かもしれない。


シアターオーディオとして聴く第一幕 前奏曲の好きな順として

メータ>ショルティ>ベーム>カイベルト>カラヤン

という結果になったが....

なんかとんでもない事やり始めちゃったなー(^^;

続くのかー?(笑)



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イベント [ワーグナー]

オーディオを長くやっていくコツは常にマンネリしないようにいくつかのイベントを考えること。
それがオフ会であったり新しい機器の導入やソフトの購入だったり、更にその下準備に時間をかけてシステムの熟成を考える。

という事でようやく歴代「ワルキューレ」の比較試聴が出来るレベルの環境が整ってきた。
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「ニーベルングの指環」を自宅システムで鑑賞する様になって感じたのはオーケストラの演奏だけでなく歌劇の入ったオペラの再生はミュージカル以上に難しくオーディオシステムの完成度を高めるための絶好のソフトだという事。
実はこれまでのオーディオ機器をチョコチョコ弄っていたのもこのためでもあったのだ(笑)

今までバレンシア・リングをメインに色々聴き比べてきたが今回はステレオでのソフト(3LPと2CD)のみでマルチチャンネルは対象外にした。

ショルティ、ベーム、カイベルト、カラヤン、メータ指揮の「ワルキューレ」を聴き比べる。
ショルティ、ベーム、カラヤンは3台のレコードプレーヤーに振り分け、
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カイベルトはCDで、メータのCDはアナログ出力を直接DA-3000のDSD 5.6MHzで録音して再生する。
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これで5人の指揮者の「ワルキューレ」が5台の再生機器を使い瞬時に切り替えて試聴することができる。

非常に贅沢な比較試聴環境ではないか(笑)

尤も評論家ではないので各指揮者、オーケストラの演奏の良し悪しは分からない
「ニーベルングの指環」は自分にとって昔の冒険活劇ソフトでそのサウンドトラックという感覚だ。
更に指揮者だけでなくキャスティングや演出によっても印象は変わってくる。

とても数日で終わるようなイベントではないので夏休み中にと試聴は三幕に分け始めは第一幕のみで比較することにしたが....

五人の指揮者の第一幕 前奏曲を聴くだけで既に数日経っている(^^;
結構演奏やテンポ等の表現の違いがあって面白い。
やはり他の指揮者と同じ演奏なんてしたくないだろうから自己主張が入っている?

問題はどこで再生を止めるか(^^;
レコードだと1面続けて聴いてしまい....
CDだと第一幕すべて聴いてしまい....(笑)
思った以上に時間が掛かってしまう(^^;
まあ嫌なら辞めればいいことなので(笑)

それでも何回も比較して聴くことによって今まで意識していなかった部分が聞こえてきて以前聴いた印象とはまた違ってくる。

飽きない程度にのんびり聴いていこう。
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